ヒヤリ・ハット事例

(事例出典元 : 厚生労働省 「職場のあんぜんサイト」)

①キャビネットに並べてある資料をとろうとしたところ、転落しそうになった

業種:小売業
作業の種類:事務作業

状況 事務所において、高さ2.5mほどのキャビネットに並べてある資料をとろうと、キャスター付の椅子の上に乗ったところ、椅子が動いてバランスを崩し、転落しそうになった。
原因 手が届かない高さのキャビネットから資料をとる際、キャスター付の椅子を踏み台代わりに使用したこと。
対策 キャビネットの高い位置にある資料・書籍等をとろうとするときは、椅子を踏み台代わりに使用せず、踏み台、又は開き止め金具をしっかり架けた脚立等を使用すること。また、キャビネットは壁にしっかり固定すること。

②業務用ピーラー(皮むき)で指先を切ってしまいそうになった

業種:食品工場
作業の種類:調理・野菜の皮むき

状況 右手でピーラーをもち、左手でもった人参の皮をむきながら、話しかけられた方を振り返り、指先を切ってしまいそうになった。
原因 周囲に気をとられ、刃物に対する感度、意識が低かったこと。
対策 刃物を使用する作業の際、複数の事を同時にしようとせず、刃物を使用する作業を中断すること。

③被介助者を「車いす」へ移乗しようとした際、腰を痛めた

業種:社会福祉施設
作業の種類:介護・移乗

状況 入居者の個室にて、入居者を車いすからベッドに移乗させるため、一人の介護職員が入居者の両足を持ち上げ、もう一人の介護職員が入居者の脇を抱えようとしたところ、不自然な動作で入居者を持ち上げようとしたため、両足を持ち上げた介護職員が腰を痛めた。
原因 被介助者に十分身体を近づけず、不自然な姿勢で介護作業を開始したこと。
対策 車椅子からベッドまでの移乗の際は、車椅子と介護ベッドの高さを合わせ、被介助者をできるだけ持ち上げず、横に滑らせること。

④商品を積載したパレット台車の車輪に足を挟まれそうになった

業種:陸上貨物取扱業
作業の種類:商品の仕分け

状況 配送センターにて発送する商品の仕分け作業中、商品を積載したパレット台車の方向を転換しようとしたところ、旋回した車輪に足を挟まれそうになった。
原因 パレット台車の旋回する車輪に十分な注意を払わなかったこと。
対策 パレット台車の移動の際は、できるだけ安全靴を使用すること。また、方向を転換する際は、身体の正面と台車の中心がズレた状態で、パレット台車を動かさないこと。重い物はスピードが後から乗るのでゆっくり運ぶこと。