危険予知訓練
■危険予知訓練(KYT)
危険予知訓練とは、作業や職場にひそむ危険性や有害性等の危険要因を発見し、解決する能力を高める手法のことです。
ローマ字のKYTは、危険のK、予知のY、訓練(トレーニング)のTをとったもので、通常は以下の4ステップで進めていくものです。
この訓練を通じて、危険を危険として敏感に気づき、それに対する策を練ることで労働災害を未然に防ぐ力を身につけてください。
- 1 現状把握
- どんな危険が潜んでいるか
- 2 本質追求
- 危険のポイントはどういうところにあるか
- 3 対策樹立
- あなたならどのようにして危険を回避するか
- 4 目標設定
- 対策を持ち寄って内容を検討し、どうするか目標を決めて、皆でそれを実行する
現状把握と対策樹立のトレーニングをします
1.窓ふき
2.デスクワーク
3.台車で荷物運搬
4.段ボール箱の整理・解体
(1)それぞれの絵を見てどんな危険が潜んでいるか考えてみましょう(現状把握)
(2)その危険はどのように対策すれば回避できるか考えてみましょう(対策樹立)
■KYTトレーニング検討例
(あくまで一例で、これが「すべて」ではありません。さまざまな危険性と対策を考えるようにしましょう。)
(1)現状把握の検討例
1. デコボコのところに脚立を置いて、バランスを崩して落ちる。
2. 脚立から飛び降りて足をひねる。
3. 窓ガラスに体重をかけすぎて、ガラスが割れて手に切り傷を負う。
1. 姿勢が悪いと肩が凝り、頭も痛くなる。
2. 長時間モニターを見ていると目が痛くなる。
1. 床のくぼみにつまづいて転ぶ。
2. 急にとまって荷物が落ち、人に当たる。荷物を壊す。
1. ギザギザの縁で指を切る。
2. カッターで切る方向に指を置き、勢い余って指まで切る。
(2)対策樹立の検討例
1. 脚立は平面に設置し、人に支えてもらう。
2. 脚立からはバランスも考えながらゆっくり下りる。
3. 窓ガラスは割れるものであることを改めて認識し、体重を載せて作業をしない。
1. 椅子の高さ調整をする。
2. 連続作業時間は1時間を超えさせず、作業と作業の間に10分は休憩を取る。
1. 足元に何もないか事前にルートを確認をする。
2. 慣性の法則の理解をし、台車スピードにも気をつける。
1. 手袋をして作業する。
2. カッターで切る刃の方向には、手などを置かない。刃の届く範囲への安全注意。